映画4 「The covenant」

映画4 「The covenant」

 

2024年2月公開.ガイ・リッチー監督(知らない).役者も知らない人ばっかり.9.11への報復のためアフガニスタンに送り込まれた兵士の話.主人公と通訳との深い友情がキーポイント.通訳は元々アフガニスタンの人で,米兵に協力すればアメリカでのビザが貰えるというシステムになっている.彼らの所属する部隊がタリバンの武器庫の捜索に出動した所,タリバン兵の奇襲に遭い部隊は壊滅的な被害を受ける.生き残ったのは主人公(死にかけ)と通訳だけで,通訳は米軍基地への100km以上ある道のりを主人公を引き摺りながら連れて帰る.帰還した主人公は家族の元へ戻れたものの,この美談が広く知れる所となり,唯でさえアフガニスタンを裏切っている通訳は尚のことタリバンに目を付けられ,妻と子と逃亡生活を送る.命の恩人が絶望的な境遇にある事を知った主人公は良心の呵責(こんなのっぺりした言葉を使うのは気に入らないけど)からPTSD的な苦しみを患い,アフガニスタンへ戻り通訳を探す事を決心.タリバンに見つかって死にかけながらも無事彼を見つけ,ビザを与えアメリカへ送ることに成功し恩に報いる.CovenantはBond,Pledge等の意を含む.

久々に良い映画を見たという気分になった.特に,通訳が必死こいて主人公を基地に連れて帰るシーンが全体的に良かった.絶望的に長く過酷な環境下での,暴力的な勢力に怯えながらの逃避行(?).オーケストラ調の音響も合わさって,恐ろしく救われない/絶望的な雰囲気?が凄く心に来た.雰囲気は全然違うけど少女終末旅行(見てないけど)的な感覚と似ているのかもしれない.自分が好きなエンタメの解像度が少し上がったような気がする.この話は最終的にかなりのハッピーエンドだけどそれでも良かったと思えたという事は,「結論がどうあれ「シュールな程の救われなさ」がある作品が好き」という事なのかもしれない.一個気になったのは通訳がどうして主人公にそこまでの思い入れを持っていたのかという事.ほったらかして自分だけ帰還するという選択肢が当然あると思うけど,それを選ばなかった背景の説明が足りない気がした(自分が気づかなかっただけかもしれないけど).